変形性股関節症の2タイプ


 ある健康雑誌の股関節特集で、変形性股関節症に効果のある最新アメリカ式運動療法等が紹介されていました。
 変形性股関節症の方は大腿直筋、大腿筋膜腸筋、中臀筋が痛みの原因なのでこの3つの筋肉をほぐしましょう、という内容でした。
 まずその「3つの筋肉」ということに疑問があります。というのは、一概に変形性股関節症といっても状態は様々だからです。特に大別しなければならないのはO脚タイプと、X脚タイプです。
 O脚タイプの特徴は、①脚が開ける②臼蓋形成不全などが先天的にあり若い頃に運動などを良くした③骨盤が後傾で背骨も後弯している猫背タイプ④足は甲高で土踏まずのアーチが深い、等が多くみられます。
 X脚タイプの方には、①脚が開けない、あぐらが苦手②骨盤が前傾で反り腰③足は偏平足で甲が低い、等がみられます。このO脚タイプの方とX脚タイプの方では必要な運動は全く反対になります。
 運動療法を行う時はご自分の股関節の状態を正確に把握して必要な筋肉のゆるめとトレーニングを行わないと、せっかくの努力が無駄ならまだしも状態を悪化させることも懸念されるのです。例えば当所ではO脚タイプの方には大腿の外側の筋肉(大腿筋膜腸筋、腸脛靭帯、外側広筋、大臀筋、中臀筋、梨状筋など)の硬縮を取り除き、その働きを制御する働きのある筋肉を鍛えるために内またでのスクワット運動を、X脚タイプの方にはモモの内側の筋肉(大内転筋、長内転筋、短内転筋、恥骨筋、薄筋など)の拘縮を取り除き、反対の働きのあるモモの外側の筋肉を鍛える外開きのスクワット運動にさらに左右差を加えた状態の運動を指導しています。
 このように雑誌やテレビの健康番組で紹介された運動などをそのまま行うのはリスクが有るために細心の注意が必要なのです。